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ノベルゲームレビューの部屋
夕焼け空の下は病気の少女の存在を認めてあげる話です。
登場人物は、幽霊を名乗る少女ヒナノと普通の男の子ケイの二人です。
ヒナノはケイが作り上げた秘密基地を、占領してしまいます。
ケイは最初こそ、怒りますがヒナノの持つ不思議な魅力に
次第に惹かれていき、最後には彼女の本当の想いを知り
ヒナノを救います。
このお話を読んで、難病患者の気持ちの理解に一歩近づいた気がしました。
ヒナノは病気のせいで「減っていくこと」を恐れています。
それは、単に寿命のことだけではありません。
友達や楽しい学校生活など、普通だったら得られるはずのものです。
そして、ヒナノは学校ではいない者、幽霊のように扱われます。
なりたくて幽霊に、病気になったわけではありません。
どれほど辛かったのでしょう。
ですが、そんな時幽霊であることを「嘘つき」と否定してくれる存在が現れました。
それが、ケイです。
学校ではない、段ボールの秘密基地という二人だけが知る場所で。
居場所のなかったヒナノが、居場所を得ることができたのです。
ケイがヒナノに惹かれていったように、真っ直ぐな想いで自分に接してくれる
ケイに、居場所をくれたケイにヒナノもまた、心を開いていきます。
ヒナノは減っていくだけでなく、足していくことをケイから教わります。
居場所は学校だけじゃない。
友達は学校の外でも作れる。
難病でも、諦めなければ大切なものを得ることができる。
そんなメッセージが込められているように感じました。
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